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損害費目充当

   

労災給付は損益相殺の対象となります。

 

*参照「労災と損益相殺」 http://goto-law2013.com/negligence_and_prof/negligence_and_prof-212/

 

しかし,労災,国民年金給付額を単純に損害額に充当することはできません。 損害の種類ごとにわけて充当しなければなりません。

昭和37年4月26日最高裁判決 労災保険の遺族給付は慰謝料に充当できない。

 

昭和58年4月19日最高裁判決 労災保険の障害補償一時金及び休業補償金は慰謝料に充当できない。

 

昭和62年7月10日最高裁判決 労災保険の休業補償給付及び傷病補償年金,厚生年金の障害年金は,

消極損害からのみ控除でき, 積極損害,慰謝料からは控除できない。

 

平成11年10月22日最高裁判決 国民年金法お及び厚生年金法に基づく障害年金受給者の死亡により遺族が受給した遺族年金は,

逸失利益のみから控除でき,他の財産的損害,慰謝料から控除できない。

 

平成16年12月20日最高裁判決 被害者の相続人が遺族厚生年金の受給権を取得したときは,被害者が支給を受けるべき障害基礎年金等に係る逸失利益,

すなわち,年金の逸失利益だけではなく,給与収入等を含めた逸失利益全般との関係で控除できる。

 

*積極損害 実際に被害者が事故のために被った損害

*消極損害 事故にあわなければ被害者が将来得るはずだったと予想される利益

                                                                          以 上

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