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基礎収入(収入が低い場合)

   

休業損害,逸失利益算定のための基礎収入は,原則として被害者の現実の収入額となります。

しかし,例外的に生活を維持するのが困難であると思われるようなケースにおいては,将来的に収入が上がる蓋然性の立証がない場合であっても,基礎収入の増額を認める裁判例が散見されます。

大阪地裁平成18年6月14日(交通事故民事裁判例集39巻3号764頁)

後遺障害がある自営業者について,確定申告において所得がマイナスでも,事故により労働能力の一部を喪失していることに鑑み,賃金センサス平均賃金の7割を基礎収入とした。

大阪地裁平成18年2月10日(交通事故民事裁判例集39巻1号156頁)

自営業者について,事故前年の申告所得額は170万円であったが,借入金の返済状況,扶養家族の人数に鑑みると,上記金額で生活していくことは困難であるとして,年齢別平均(385万3800円)を基礎収入とした。

神戸地裁平成19年10月1日(自動車保険ジャーナル1743号2事件)

自営業者について,事故前年の申告所得額は160万円であるが,公共料金・住宅ローン等の支払が合計400万円前後に達するため,賃金センサス男性学歴計60歳から64歳平均441万0200円を基礎とした。

以 上

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