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外貌醜状と慰謝料

      2017/05/05

交通事故において,顔・頭・首に関して痕が残った場合(外貌醜状),逸失利益が認められるのかという問題があります。
顔に傷が残った場合,労働能力にどう影響するかの問題です。

一般論として,未就業の方,年齢が若い方で接客業に従事している場合等に逸失利益が認められやすい傾向にあります。
未就業の方の顔に醜状が残ると,就職に差し支えがある(職業選択の幅が狭められる)ということです。

反対に,被害者が実際に従事する労務を遂行する上で全く影響ない場合には,逸失利益は否定されやすくなります。
たとえば,事務職の50代で,顔に傷跡が残っても仕事に全く影響がないような場合には,労働能力に影響がないだろうということになります。

醜状障害の程度・内容も大きく影響すると言われています。

後遺症第7級12号(外貌に著しい醜状を残すもの)の場合,女性であれば年齢・職業を問わず逸失利益が認められやすい傾向にあります。

逆に,後遺症第12級14号(外貌に醜状を残すもの)の場合,男性であれば,逸失利益が認められることは極めて困難になります。

*裁判例の一般的傾向としてとして女性の事例では広く逸失利益が認定され,男性では否定されがちな傾向にあります

*詳しくは鈴木尚久判事が「民事交通事故訴訟損害賠償額算定基準」2011年版下巻において「外貌の醜状障害における逸失利益に関する近時の裁判実務の取り扱いについて」という特集を執筆されております。

以 上

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