近親者の慰謝料
2017/05/05
交通事故で被害者が死亡した場合には,近親者は加害者に対して,固有の慰謝料を請求することができます。
*第七百十一条 他人の生命を侵害した者は,被害者の父母,配偶者及び子に対しては,その財産権が侵害されなかった場合においても,
損害の賠償をしなければならない。
また,交通事故で被害者が受傷して後遺症を負った場合には,近親者に固有の慰謝料請求権が発生します。
最高裁判例昭和33年8月5日
「身体を傷害された子の母は,その子の死亡したときにも比肩しうべき精神上の苦痛を受けたと認められる場合には,民法709条・710条に基いて,自己の権利として慰藉料を請求しうるものと解するのが相当である。」*第七百九条 故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
*第七百十条 他人の身体,自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれであるかを問わず,前条の規定により損害賠償の責任を負う者は,財産以外の損害に対しても,その賠償をしなければならない。
近親者固有の慰謝料の額は,本人の後遺症慰謝料のように定型化されておらず,具体的な事情に基づき裁判所が決定します。
以 上