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年金と逸失利益②

      2017/05/05

障害基礎年金・障害厚生年金の受給者が交通事故によって死亡した場合,
年金額が逸失利益として損害賠償の対象になるかという問題があります。

この点について,最高裁判所(平成11年10月22日判決)は,

一 国民年金法に基づく障害基礎年金も厚生年金保険法に基づく障害厚生年金も,原則として,程度の差はあれいずれも保険料が拠出されたことに基づく給付としての性格を有するものであるから,障害年金受給者が不法行為により死亡した場合には,その相続人は,加害者に対し,被害者の得べかりし障害年金の現在額を同人の損害として,賠償請求することができると解する。

その一方,

二 国民年金法33条の2に基づく子の加給分及び厚生年金保険法50条の2に基づく配偶者の加給分は,いずれも拠出された保険料と牽連関係があるものとはいえず,社会保障的性格の強い給付であり,子の婚姻,養子縁組,配偶者の離婚等により終了することが予定されていて,基本となる障害年金自体と同じ程度に存続が確実なものということもできないから,右加給分については逸失利益性を認めるのは相当でない。

と判断しております。

保険料と給付との間に牽連関係があるかどうかがポイント

 

                                  以 上

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